しちおブログ

思ったことを書きます。福本作品とかの記事が多いと思います。 twitter:@SHI_CHI_O

宇海 零は開平法を知らなかったのか? ※「賭博覇王伝 零」のネタバレ有り

・宇海 零は開平法を知らない説

賭博覇王伝 零についてちょこちょこ語られる話題。「零 開平法」でググるとそのような意見を見ることができます。要約すると「鏖の魔女で√2の値を求めた時、零が実際行った方法(以下、本編に則って地道な算数と呼びます)より開平法の方が簡単なのでは?」ということ。

私個人としては零は知らなかった…というより福本先生自身が知らないんじゃないかなと思っています(知っててあえて漫画内で言及しなかった可能性もあるとは思います)。少なくともこの話を描いている時、福本先生は零が知っていると考えながら描いてはいなかったと思います。無論漫画の設定は作者の気分などで変わるものなので、今後零が開平法について触れることもあるかもしれませんが…

ただ、「零は開平法を知っていたがあえて使わなかった」と解釈することも可能なのではないか?とも考えています。正直「零チンは天才だから開平法くらい知ってる!あえて使わなかったんだ!」というジュンコ的精神が生み出した暴論な気もしますが、その可能性を書き連ねていきます。

・「開平法」とはどんな計算方法なのか?

これについては私が解説するより調べて出てくるサイトを見た方が早いと思います。私自身は数学は好きでしたが明るくないので。ざっくり言えば、ちょっとした筆算で平方根(√2とか√3とか)の位の数を一つずつ出すことができる計算方法。確かに漫画の「ひとよひとよにひとみごろ」を2乗した後足し算していくよりは素早く簡単に値を出すことができそうです。ただし一般的にあまり知られていないと言えるでしょう。

・鏖の魔女クリアに適した計算方法は?

鏖の魔女での計算において重視されるのは「速度」と「正確性」です。謎解きも含めて30分という時間制限があるので「速度」はもちろん必要です。そして解答できる回数は2回、かつ1回目の解答をしくじると本編の通り謎解きの主導者が信用を失いパニックに陥る可能性が高いので「正確性」も必要です。また、1回目の解答が不正解だった後に、零が計算ミスではなく手紙の見落としの確認に時間を割けたのも検算によって答えの「正確性」が担保されていたからだと描写されています。よって2回目の解答で計算ミスの可能性を排除できることも「正確性」の重要な要素と言えます。

この2つを考えると開平法は「速度」は満たしていますが「正確性」はやや不安が残ります。計算量は地道な算数よりは少ないですが決して計算ミスが起きないとは言えない量でもあります。そしておそらく零以外の人間で開平法を知っていそうなのは迷宮のトライアングルでも活躍したインテリヤクザ板倉くらいでしょう。手順もやや面倒なのでその場で教えるのも難しそうです。となると本編で行った複数人で計算し答えを確認するという検算方法は使えません。

そういう視点から見ると開平法は鏖の魔女に適した計算方法とは言い難いように思えます。もし開平法で計算していたら不毛な再計算に時間を取られ手紙を見直すことができず死んでいたかもしれません。その点地道な算数は速度こそ開平法より劣るものの、時間内に計算することは可能ですし正確性も確保できます。

・零はあえて開平法を使わなかった説

上記を理由に零は、開平法は思いついたが諸々の事情を考え使わなかったし、余計な情報を与えて混乱させないために口にも出さなかった…という見方も可能ではないでしょうか。計算以外にもいくつかの謎解きがあり、集団パニックによる内輪もめなどの要素を含む鏖の魔女だからこその理由と言えるでしょう。流石零チン!迷惑千万な男!(無関係)

 

こじつけと言われればそうだといった感じの考察ですがこういう妄想を膨らませるのは大好きです。この考察への感想や批評、零好きの皆さんの他の考察もコメント等でお待ちしてます。